作品情報
- 公開:2022年10月21日
- 上映時間:179分
- 制作:インド
- 監督:S・S・ラージャマウリ
- 視聴方法:U-next
キャスト
- N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア(ビーム役)
- ラーム・チャラン(ラーマ役)
- アーリヤー・バット(シータ役)
- アジャイ・デーヴガン(ヴェンカタ役)
- レイ・スティーヴンソン(スコット役)
- アリソン・ドゥーディ(キャサリン役)
- オリビア・モリス(ジェニー役)
- シュリヤー・サラン(サロージニ役)
あらすじ(ネタバレなし)
1920年代の英国植民地時代のインド。
異なる使命を背負った2人の男が運命的に出会い、友情と信念を胸に巨大な権力に立ち向かう。
歌・ダンス・アクションが融合した圧巻のエンタメ超大作。
以下、ネタバレあり
あらすじ(ネタバレあり)
🟩起:運命の出会いと友情の始まり
舞台は1920年代、英国植民地時代のインド。
ゴーンド族の少女マリが、英国総督スコットとその妻キャサリンによって強引に誘拐される。
村の守護者である屈強な男ビームは、彼女を救うためにデリーへ向かう。
一方、英国警察官ラーマは、反乱分子の鎮圧を任務としており、ビームの存在を探るよう命じられる。
ふたりは互いの正体を知らぬまま、列車事故で協力して子どもを救出したことをきっかけに、深い友情を築いていく。
ラーマはビームをジェシー(スコットの姪)に近づける作戦を立て、ビームは彼女の招待でスコット邸に潜入。
そこで監禁されているマリを発見し、必ず助けると誓う。
だが、ラーマはビームの正体を知り、任務と友情の間で揺れ始める。
🟨承:友情の崩壊と正義の衝突
スコット邸でのパーティ中、ビームは猛獣を乗せたトラックで突入し、混乱の中マリを救出しようとする。
しかし、軍服姿のラーマが立ちはだかり、ふたりは激しい戦いを繰り広げる。
ビームは敗北し、マリも救えず、警察に捕らえられる。
ラーマは昇進するが、親友を裏切ったことに苦悩する。
広場での鞭打ち刑では、ビームが痛みに耐えながら歌い、民衆を鼓舞。
暴動が起き、処刑は中止される。
ラーマは自らの過去と使命を振り返り、イギリスに仕える理由が「武器を奪うため」だったことが明かされる。
彼の許嫁シータはビームに真実を伝え、ビームはラーマを救う決意を固める。
友情は再び芽生え、ふたりは共に戦うことを誓う。
🟥転:反撃の狼煙と共闘の始まり
ビームは兵舎に潜入し、拷問を受けていたラーマを救出。
ふたりは和解し、再び力を合わせる。
ラーマは足を負傷していたが、ビームが肩車することで「合体戦士」のようなスタイルで敵を圧倒。
馬とバイクに乗ってスコットの屋敷へ突入し、壮絶な戦いが始まる。
ラーマは弓を使い、ビームは肉弾戦で敵をなぎ倒す。
ふたりの連携は完璧で、英国兵たちは次々と倒されていく。
ついにスコットを追い詰め、ビームが矢で腕を射抜き、ラーマが銃でとどめを刺す。
スコットの屋敷にあった大量の武器を奪い、ふたりは仲間の元へと帰還。
民衆の希望となる存在へと変貌を遂げる。
友情と信念が、圧政に立ち向かう力となった。
🟦結:革命の種と未来への希望
ラーマとビームは、奪った武器を村へ持ち帰り、民衆に自由への道を示す。
ラーマは父の遺志を継ぎ、武装蜂起の準備を進める。
ビームはマリを無事に救い出し、彼女と村の人々と再会。
シータも加わり、ふたりの絆はさらに深まる。
エンディングでは、ラーマがビームに知識を授け、ビームがラーマに戦い方を教えるという互いの成長が描かれる。
歌と踊りで締めくくられるラストは、インド映画らしい祝祭感と熱量に満ちている。
感想(ネタバレあり)
サブスクに出てから2年、ついに観ました、『RRR』。
U-NEXTに課金して、2025年の記念すべき100本目の映画として鑑賞。
2年越しの宿題をようやく回収した気分です。
やっぱりインド映画、いいですね。
できればマサラ上映で観たかった…!
あの熱気と一体感の中で踊りたかった。
最初は主人公2人(ラーマとビーム)の見分けがつかなくて「どっちがどっち?」状態だったけど、物語が進むにつれて自然と理解できるように。
まあ、当然なんですけどね。
物語の展開はとても分かりやすく、見どころも明快。
そして何より、ラーマもビームも「本気で叩きのめす」シーンが最高。
友情と信念がぶつかる場面では、身体能力の高さにただただ驚くばかり。
あれはもう人間じゃない。
印象的だったのは、拷問されていた仲間が蛇を使ってラーマを撃退する場面。
「おお、やった!」と思った直後、まさかのビームがラーマを治してしまって「おーーーーーい!」とツッコミたくなる展開。
そしてシータが登場した時には、「もうこれ以上すれ違わないで…」と祈るような気持ちに。
でも、すべてひっくるめて面白かった。感情のジェットコースターです。
やっぱり最初のダンスシーンは最高。
あれを目の前でやられたら、間違いなくキャッキャしちゃう。
そういえば以前、インド人の友人(男性)に「インドでは良いことがあるとそこらへんで踊っちゃうんでしょ?」と聞いたら、「そんなわけないじゃん。何もなくても踊るよ」と返されたことを思い出しました。
この映画を観て、その言葉の意味がちょっと分かった気がします。
✅魅力に感じたところ
- 圧倒的な熱量とエネルギー
3時間ずっとクライマックスのような展開で、観客を飽きさせない。
アクション、友情、裏切り、革命、すべてが全力で描かれている。 - 主人公2人の対比と絆
ラーマ(秩序)とビーム(自然)の対照的なキャラクターが物語を牽引。
立場を超えた友情が、物語の感情的な核になっている。 - 音楽とダンスの融合
特に「Naatu Naatu」のダンスシーンは世界的に話題に!
歌と踊りが物語のテンポを支え、観客の感情を高める。
❓気になったところ
- 荒唐無稽な展開
主人公がバイクを振り回したり、弓で爆発を起こしたりと、現実味は無い。
「怪我してすぐ復活」「銃弾が当たらない」など、ツッコミどころ満載。 - 暴力描写の過激さ
拷問、ムチ打ち、流血など、子どもや女性が傷つくシーンも多く、苦手な人には重い。 - ナショナリズムの強調
イギリス人を極端に悪役として描く構図が気になる。
🎥映像について
この作品は、映像も物語も“やりすぎ”なのに、なぜか心に残る魅力があるのが象徴的。
- アクションの迫力
炎と水を象徴にした演出が随所に登場。馬とバイクが交差する少年救出シーンは圧巻。
ワイヤーアクションとVFXを駆使し、重力を無視した「漫画的」な動きが連発! - 自然と動物の使い方
虎や狼などの野生動物が登場し、英国の「鉄と火薬」に対抗する「自然の力」として描かれている。
動物たちは暴れるだけでなく、主人公と共に戦う「仲間」として機能する。 - 映像美と象徴性
英国の豪華な屋敷とインドの密林のコントラストが鮮烈で美しい。
有刺鉄線や柵など、支配と自由を象徴するモチーフが繰り返し登場し、映像に深みを与えている。
以上、「RRR」の感想でした。
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