P.S. アイラヴユー(P.S. I Love You)/2008

3.5

作品情報

キャスト

  • ヒラリー・スワンク(ホリー・ケネディ役)
  • ジェラルド・バトラー(ジェリー・ケネディ役)
  • リサ・クドロー(デニース・ヘネシー役/ホリーの親友・恋に前向きな女性)
  • ハリー・コニック・Jr(ダニエル・コネリー役/ホリーに好意を寄せる男性)
  • ジーナ・ガーション(シャロン・マッカーシー役/ホリーの既婚の親友)
  • ジェフリー・ディーン・モーガン(ウィリアム・ギャラガー役/ホリーの新たな恋の相手候補)
  • キャシー・ベイツ(パトリシア・ライリー役/ホリーの母)
  • ディーン・ウィンタース(ジョン役/デニースの恋人になる男性)
  • スーザン・ブラックウェル(ヴァレン役/ホリーの友人)

あらすじ(ネタバレなし)

NYで最愛の夫を失ったホリーのもとに、亡き夫から届いた10通の手紙。
指示に従うたび、彼の想いとホリーの未来が少しずつ動き出す。
最後の手紙に込められた真意とは。

以下、ネタバレあり

あらすじ(ネタバレあり)

🟩起:別れと手紙の始まり

ホリー・ケネディは、夫ジェリーの突然の死によって深い悲しみに沈む。
仕事も手につかず、家にも閉じこもり、友人たちや母親が支える中で日々を過ごしていた。

そんなある日、ホリーの30歳の誕生日に母パトリシアの店へ届いたケーキとテープが届けられる。
それは生前のジェリーが準備していたもので、録音されたメッセージには「これから届く手紙に従え」という指示が入っていた。
以降、ホリーのもとには次々とジェリーからの手紙が届き、それぞれに行動の指示や外出のきっかけが書かれていた。

ホリーは混乱しながらも、ジェリーの声と指示に導かれるように手紙に従い始める。
手紙は彼が生前に計画し、ホリーの今後の人生を後押しするために遺したものだった。
こうしてホリーは、ジェリー不在の生活に少しずつ向き合いながら、夫からの“最後の旅”を歩み始める。

🟨承:手紙の導きとアイルランドへの旅

ジェリーからの手紙は、ホリーを外へ連れ出し、新しい経験をさせる内容が続く。
カラオケダイニングで歌うよう促す手紙、靴を買う指示、自然の中へ出かける提案など、ホリーは戸惑いながらも行動を実行していく。
その中で職場の同僚ダニエルとも関わりが深まり始めるが、互いに恋愛関係には踏み込めないまま距離が続く。

やがてジェリーの手紙はホリーと親友2人をアイルランド旅行へ導く。
ホリーはジェリーの故郷を訪れ、青年時代のジェリーが働いていたパブや、彼がよく過ごした場所をめぐる。
3人で釣りに出かけた際、トラブルが起こり水上に取り残されてしまったが、そこへ現れた男性ウィリアムが3人を助け、彼の家に滞在する。

夜、ホリーはウィリアムに惹かれ、一夜を共にする。
しかし、ふとした会話から彼がジェリーの旧友であることを知る。
ウィリアムもまた驚きつつ、ホリーにジェリーと自分の関係を語り、ジェリーの故郷での姿や思い出を伝える。
ホリーはジェリーの過去を知る人物と過ごす時間を通して、夫が故郷でどのように生きていたかを現地で実感として受け取っていく。
ウィリアムとの関係は親密になるが、ホリーの胸にはジェリーの死への思いが強く残っており、二人は恋愛へ発展しないまま互いの存在を理解して距離を戻す。

🟥転:手紙の終わりと新たな気づき

アイルランドから帰国し、距離を置いていたデニースから結婚式に招待しないという怒りの電話を受ける。
ホリーは映画を見ながら自分の興味や得意分野を思い出していき、デザインへの関心を取り戻す。
ダニエルとの関係は進むことが無く、ホリーは独りぼっちになる。
ふと「手紙がなくなれば本当に一人になる」という不安と同時にジェリーを失ったことへの喪失感がこみ上げ、ホリーは自身が14歳の頃に離婚を経験した母親に会いに行く。
死別と離婚で異なるものの、大切な人を失った者同士、初めて感情を出して話し合い確執がなくなる。
そして母親から最後のジェリーからの手紙を受け取る。
配達や手紙の手配をしていたのは、ジェリーに頼まれたホリーの母親だった。

🟦結:再生への一歩

最後の手紙には、ジェリーからの感謝の言葉と、「新しい恋を諦めず、人生を歩んでほしい」というジェリーの願いが込められていた。

ダニエルから、新しく建つ野球場を見に行こうと誘いがあり、ホリーはその手紙をダニエルに読ませる。
ホリーは手紙の言葉を受け取り、ダニエルとの人生を歩み始めようとする。
しかし、キスをしてみたものの、ふたりは恋愛感情でつながっていないと気付く。
ダニエルとホリーは”屈折した永遠の友達”になった。

ジェリーの死から1年が経ち、ホリーは彼を失ったことを改めて受け入れた。
ホリーは再び仕事に向き合い、友人や家族との絆を深める。
ウィリアムとの関係も未来への可能性を示すものとして描かれ、ホリーは新しい人生の扉を開く。

感想(ネタバレあり)

「僕が何かしたんだよね、ごめんね」
この世で最も耳にするカップルのやり取りだけど、なんだか第三者から見ていると微笑ましくさえある。
男性って、彼女や奥さんに処女性を求めると思っていたけど、「付き合ったのは僕だけ、君は同性愛者だろ」と本気で馬鹿にして言えるのすごい。
当時19歳で、アートに関して熱く語っちゃうくらい打ち込んでいた学生なら、そんなことあるでしょうに…アイルランドは恋愛至上主義の国なのかなあ。
私は彼氏と喧嘩したことがほとんどないけど、普通はこんなに激しい罵り合いがスラスラと出てくるものなのか?
そしてもう別れるのかな?と思う罵倒の嵐の後、なぜイチャイチャラブラブできるのかが不明、、、
それとも外国人だから?

神父さんがアバズレとかロクデナシとかノリノリで歌っている様は面白かった。
葬式か、その後の食事会が、こんなに飲んでワイワイして、中には出会いもあったりして(キスしてみてダメだったけど)、トークショーをして、自由すぎていいな。
故人はきっと人種問わずそうして欲しいだろうけど、日本の保守的な面からはダメだろうなー。

30になると二日酔いが治りにくくなるの。29と違って。
なにーーー!
私もこれから30を迎える人間なので、気をつけなければならない。
確かに現時点で、二日酔いってほとんどない。
飲んで吐いた日も、翌日頭がガンガンするとか、長時間眠らないと回復しない…ということはない。

「You Bitch」が「生意気ね」と訳されるのが興味深い。
そのあとも、「チクショウ!」と訳されていた。
日本語で考えると「ヤリマン」とか「売春婦」とかを想像しちゃうけど、「生意気」「チクショウ」程度でビッチというワードを使うんだ。

日本の映画だかドラマだかで、”闘病後に亡くなった母からビデオレターが届く”という作品があったけど、元旦那にこれをやられたら、正直幻影がいつまでも続いて次に進めないのではないだろうか…
前に進むために、と分かっていても、

友人2人への手紙を見つけて、「でも私への手紙がないわ」と落ち込む主人公に、「本当は私たち友人を愛してたのかも」と言い放つデニース、ギャグとしてはおもろいけど当事者的にはヤバすぎる(笑)
シャロンもシャロンで、「このまま9か月以上漂流していたら3人から4人になっちゃうわ」とかいうウィットに富んだ独り言面白すぎる。
しれっとそんな高度なこと言わないでほしい。
というか、そんな面白いことどうして言えるんだろう?
外国人はみんなそうなのか、シンプルに映画の演出でフィクションなのか。
ギャグのセンスを磨く授業でもあるの?

アイルランドでの出会いのシーンは素敵だった。
これこそ、全世界の女性が夢見る「自然で偶然な、運命の出会い」。

そして、爆発するように「彼がいないと生きている意味がない」と号泣するシーン。
悲しみは後から遅れてやってくるんだな。

そして、「新しい人生を始めるなら、この人とかも」と意を決した相手が、一発で「違った」となることも、あるあるだよね。
ここまでして決意したのに?!という。
ここまで、「ロマンス盛り盛り」じゃなくてベタベタじゃなくてなんかよかった。

こうして人は前に進むんだな。
友達や家族がいるって大事。

P.S. って最近もう見かけないね。

✅魅力に感じたところ

  • 悲しみのプロセスを丁寧に描く物語構造
    夫を失った主人公ホリーが、段階的に喪失を受け入れていくプロセスが物語の中心に据えられている。
    「手紙」というデバイスが、感情の段階を可視化する“構造的な仕掛け”として機能している。
  • ジェラルド・バトラーの存在感
    回想シーンや手紙を通じて、亡き夫ジェリーの魅力がしっかり伝わる。
    彼のキャラクターが“観客の感情移入の軸”になっている。
  • ラブストーリーとヒューマンドラマのバランス
    単なる恋愛映画ではなく、人生の再生を描くヒューマンドラマとして成立している。
    コメディ要素が重さを中和し、観やすい構成になっている。

❓気になったところ

  • 感情操作がやや露骨
    手紙の演出が“泣かせに来ている”と感じる人も多く、ドラマ性が過剰に見える瞬間がある。
    物語の必然性より“演出の都合”が前に出る場面がある。
  • 主人公の再生がやや都合よく見える
    新しい恋や仕事の再生がスムーズすぎて、リアリティより“物語の収まり”を優先している印象がある。
  • 脇役の描写が浅い
    ホリーの友人たちのキャラクターが類型的で、物語の深みを支えるほどの存在感がない。

🎥映像について

この作品は、距離・色彩・編集・音楽が“主人公の心の動き”を視覚化するために統合的に機能している点が魅力的。

  • 感情の揺れをカメラワークの“距離”で表現
    ホリーの孤独を示す場面ではロングショットが多用され、空間の広さが心理的空白を象徴する。
    ジェリーとの回想ではクローズアップが増え、親密さと喪失の痛みを強調していて、距離の変化が感情の変化とリンクしているのがこの作品の映像的な特徴。
  • アイルランドとニューヨークの対比を色彩設計で美しく表現
    アイルランドのシーンは自然光が多く、緑や土の色が強調されて“生命力”を象徴。
    ニューヨークのシーンは青みがかった都会的な色調で、ホリーの停滞感を表現。
    ロケーションの色彩が主人公の心理状態を視覚化している
  • 手紙の“リズム”が物語のリズム
    手紙が届くたびに編集テンポが変わり、観客の感情の波をコントロールしている。
    回想シーンへの切り替えが滑らかで、過去と現在が“感情の流れ”でつながる構造。

以上、「P.S.アイラヴユー」の感想でした。

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