めぐり逢えたら(Sleepless in Seattle)/1993

3.5

作品情報

  • 公開:1993年12月11日
  • 上映時間:105分
  • 制作:アメリカ
  • 監督:ノーラ・エフロン
  • 視聴方法:U-next

キャスト

  • トム・ハンクス(サム・ボールドウィン役/建築家・主人公の父)
  • メグ・ライアン(アニー・リード役/新聞記者・ヒロイン)
  • ビル・プルマン(ウォルター役/アニーの婚約者)
  • ロス・マリンジャー(ジョナ・ボールドウィン役/サムの息子)
  • ロージー・オドネル(ベッキー役/アニーの親友・同僚)
  • ギャビー・ホフマン(ジェシカ役/ジョナの友人)
  • ヴィクター・ガーバー(グレッグ役/サムの友人)
  • リタ・ウィルソン(スージー役/サムの義姉・グレッグの妻)
  • バーバラ・ギャリック(ヴィクトリア役/サムの交際相手候補)
  • キャリー・ローウェル(マギー・ボールドウィン役/サムの亡き妻)
  • ロブ・ライナー(ジェイ役/サムの同僚・友人)
  • キャロライン・アーロン(Dr.マーシャ・フィールドストーン役/ラジオ番組の司会者)

あらすじ(ネタバレなし)

妻を亡くした建築家サムと、婚約者との未来に迷う新聞記者アニー。
ラジオ番組をきっかけに、遠く離れた地に住む二人の心が少しずつ近づいていく。

以下、ネタバレあり

あらすじ(ネタバレあり)

🟩起:サムとジョナの喪失

シカゴに住む建築家サム・ボールドウィンは、妻マギーを病気で亡くし、幼い息子ジョナと二人で暮らすことになる。
サムは悲しみから逃れるように、ジョナを連れてシアトルへ移住する。
ジョナは父の孤独を心配し、クリスマスイブの夜にラジオ番組へ電話をかける。
番組の司会者マーシャ・フィールドストーンは、サムに妻への思いを語らせる。
サムの話は多くのリスナーの心を打ち、全国から手紙が届くようになる。
ラジオを聞いていた人の仲に、ボルティモアに住む新聞記者アニー・リードという女性がいた。
アニーは婚約者ウォルターと安定した関係にあるが、サムの話に強く惹かれ、彼に会いたいという衝動に駆られていた。

🟨承:アニーの葛藤と接近

アニーは婚約者ウォルターとの結婚に疑問を抱きながらも、サムに会うための行動を起こす。
仕事を口実にシアトルへ向かい、サムたち親子を遠くから見つめるが、まともに声をかけることはできない。
アニーはサムの姿を見てさらに惹かれ、帰宅後も彼のことが忘れられず手紙を送る。

サムはジョナとともに日常を過ごしながら、手紙の中からヴィクトリアという女性と交際を始める。
ジョナはヴィクトリアに馴染めず、父との関係に不安を感じる。
サムも彼女といて心が休まる気はしていなかったが、前に進もうと努力していた。

ジョナはアニーの手紙を見つけ、彼女こそ父にふさわしいと考える。
ジョナはアニーに会うため、父の名前を騙りニューヨークのエンパイア・ステート・ビルでの再会を提案する手紙を送る。

🟥転:ジョナの旅とすれ違い

ジョナは父に黙って飛行機に乗り、ニューヨークへ向かう。
サムは息子の行方を追ってニューヨークへ飛ぶ。
アニーはサムに恋人がいると知り一度諦めたが、自身の婚約者ウォルターとの関係を清算し、エンパイア・ステート・ビルへ向かう決意をする。

ジョナは展望台でアニーを待つが、なかなか現れない。
サムは展望台でジョナを見つけ、無事に再会する。
アニーは展望台に到着するが、サムとジョナはすでに去った後だった。

🟦結:めぐり逢い

アニーは展望台に残されたジョナのリュックを見つけ、そこにサムの名前が書かれていることに気づく。
サムとジョナはリュックを取りに展望台に戻り、アニーとついに対面する。
三人は初めて言葉を交わす。
ジョナは二人の間に立ち、自然な形で会話が始まる。
サムとアニーは互いに名前を確認し、握手を交わす。
三人は一緒に展望台を後にし、エレベーターに乗り込む。

感想(ネタバレあり)

最初の最初、アレルギーの話多すぎるやろ(笑)
暗に「ウォルターはうまくかみ合わないメンバー」であることを示唆しているのかな?
メグ・ライアン、なんだか平成初期の日本人のナウい?女優っぽい感じ。
誰だろう…20代後半の頃の飯島直子とかか、鈴木保奈美とかかな?
「日本製の火鉢でも売りつけるのか?」というセリフがあった。
93年当時、日本製の火鉢なんてアメリカでメジャーだったんですか?(笑)

「車を降りる彼女に手を差し伸べた時、運命を感じた」
そういうふとした些細なタイミングで、しっくりくるものなんだろうな。

記者という立場を利用して、サムの電話番号をラジオ局から入手し、素性を探偵に調査依頼したり、法律的にはギリアウトなことをしているアニー。
しかし、そこまでしてでも惹かれていたのだろう。
本当、アウトだけどね(笑)
30年以上前では成立するけど、今では絶対成立しないんだろうな。
探すとなったら、ハッシュタグとかを作ったりするのだろうか…夢がないなあ。
でも、数十年したら、ハッシュタグなんてものもロマンチックになるのかな?

「40女の結婚率は、テロで殺される確率より低い」wwww
その後も同じように「年増女は~」と同じ格言を言っている男がサム側にもいて、ステレオタイプの象徴だなあと。

アニーは「文字に囲まれ文字を書く仕事」をしていて、サムは「声だけを届け」た。
そして、アニーはサムの声を聴いて恋に落ちた。
さらに、ジョナはアニーの「手紙を読んで」この人が良いと決めた。
なんだか不思議な因果だなあと感じる。

空港でサムの方がアニーに目を奪われた瞬間は、キャーーー!となった。
運命の始まり。
その後、車に轢かれそうになりながら、お互いに目が離せなくなって、こんにちは…としか言えないのも良い。

「帰ってきたら、お荷物(ジョナ)抜きで会いたいわ」
ヴィクトリア、素晴らしい性格しているね。
それに比べて、アニーはジョナに「この子の名前は?ハワードね。よろしく、ハワード。」とぬいぐるみの名前を聞くところ!
そういうところなんだよな~。

でも、正直自分がアニーの親だったらショックだろうなあ~
なんか従順そうなボンボンみたいな男を捕まえたと思ったら、
1年の内7か月も雨の場所で8歳の男の子を育てている男やもめ…
それでも状況とか条件は関係なく、惹かれてしまう時は惹かれてしまうんだろうけど。
ずっと彼のサムの顔をチラッチラッと見てしまうアニーの行動は、めちゃくちゃ共感できる。
きっとこの後、「実はジョナが勝手にやったんだ」と答え合わせをして、ジョナのおかげね、なんて笑い合うんだろうな。

おおもとになった「めぐり逢い」もいつか見てみたい。

✅魅力に感じたところ

  • 脚本の繊細さ
    ノーラ・エフロンの脚本は、喪失・再生・運命といったテーマを軽やかに描きながらも、感情の機微を逃さず表現している。
  • 俳優の演技
    トム・ハンクスとメグ・ライアンの演技は自然体で、特にトム・ハンクスの“悲しみを抱えた父親”としての存在感が際立つ。
  • 構成の工夫
    主人公同士がほとんど会わないまま物語が進むという大胆な構成が、逆に“出会い”の瞬間に強い印象を与える。

❓気になったところ

  • 非現実的な展開
    ラジオ番組を通じて恋に落ちるという設定は、ロマンチックではあるが現実味に欠ける。
  • ヒロインの描写の偏り
    アニーの行動が一方的で、サムとの関係性が深まる前に“運命”として描かれる点が出来すぎに感じる。
  • 脇役の活用不足
    ウォルターやヴィクトリアなど、物語上重要な役割を持つ人物がやや記号的に扱われている。

🎥映像について

この作品は、柔らかく温かみがあり、都市の風景と感情が調和している作品です。

  • 撮影監督
    スヴェン・ニクヴィストによる映像は、柔らかい光と自然な色調で構成されており、都市の孤独と温かさを同時に表現している。
  • シアトルとニューヨークの対比
    西海岸と東海岸の風景が、登場人物の心理的距離を視覚的に補強している。
  • ラストの展望台シーン
    エンパイア・ステート・ビルの夜景と静かな空間が、物語のクライマックスを象徴的に演出している。

以上、「めぐり逢えたら」の感想でした。

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