ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(The Hangover)/2010

4.5

作品情報

キャスト

  • ブラッドリー・クーパー(フィル・ウィネック役/教師)
  • エド・ヘルムズ(スチュアート・プライス役/歯科医)
  • ザック・ガリフィアナキス(アラン・ガーナー役/ダグの義弟)
  • ジャスティン・バーサ(ダグ・ビリングス役/新郎)
  • ジェフリー・タンバー(シド・ガーナー役/アランの父)
  • マイク・エップス(黒い方のダグ役/麻薬ディーラーと間違われる人物)
  • ヘザー・グラハム(ジェイド役/ストリッパー)
  • マイク・タイソン(マイク・タイソン役/本人役)
  • ケン・チョン(レスリー・チャウ役/ギャングのボス)
  • レイチェル・ハリス(メリッサ役/スチュアートの婚約者)
  • ロブ・リグル(フランクリン役/警官)
  • サーシャ・バレス(トレーシー・ガーナー役/ダグの婚約者)

あらすじ(ネタバレなし)

ラスベガスでバチェラーパーティを開いた男たちは、翌朝ホテルで記憶を失い、花婿が行方不明になっていることに気づく。 手がかりを頼りに、彼らは前夜の痕跡をたどりながら街を奔走する。

以下、ネタバレあり

あらすじ(ネタバレあり)

🟩起:バチェラーパーティの始まり

歯科医スチュアート、教師フィル、風変わりなアランは、親友ダグの結婚を祝うためラスベガスへ向かう。
ダグの義父からクラシックカーを借り、4人は高級ホテルにチェックイン。

屋上で乾杯し、街に繰り出した後、翌朝目覚めると部屋は荒れ果て、ダグが行方不明になっていた。
スチュアートは前歯を失い、部屋には虎と赤ん坊が残されている。
記憶がない3人は、前夜の出来事を探るため、ホテルの防犯カメラや領収書を手がかりに行動を開始。

まずは病院を訪れ、フィルが夜中に救急搬送されたことを知る。
そして、体内からルフィというレイプドラッグが検出されたと聞く。
犯人はアランだった。
リラックスできるようにエクスタシーを入れたつもりが、売人からルフィを渡されていた。
次に警察署へ向かい、スタンガン訓練の被験者になった記録を確認。
徐々に前夜の痕跡が明らかになり、3人はダグの行方を追って奔走する。

🟨承:手がかりと混乱

フィルの腕が治療してあったことから、病院に出向く3人と赤ん坊。
すると対応した医者から、町はずれの結婚式場で式を挙げたという話を聞いた。
向かってみると、式を挙げたのはスチュアートで、ストリッパーのジェイドと結婚していたことが判明。
彼女の家を訪れると赤ん坊は彼女の子であることが分かる。

その時、警察が突入し、パトカー盗難の罪で連行される。
なんとかして警察署を出た3人は、ホテルの部屋にいた虎がマイク・タイソンのペットであることを知る。
次に、車を取り戻すため駐車場へ向かうが、ギャングのレスリー・チャウが裸でトランクに閉じ込められ、逃げて行った。
タイソンの邸宅を訪れ、虎を返却する代わりに防犯映像を見せてもらい、午前3時頃にはまだダグが生きていたことを確認。

タイソン邸宅を出たところで、仲間を引き連れたチャウが現れる。
昨夜のカジノで、8万ドル入っていたチャウのポーチをアランが入れ替えて盗んだと主張し、金を返すよう脅迫した。
チャウはダグを人質に取っていた。
3人は彼の要求に応じるためカジノで資金を調達。
アランのカード計算能力を活かしてブラックジャックで勝利し、チャウに金を渡す。
だが、チャウが渡した人質は“黒い方のダグ”であり、間違いだった。

🟥転:真相と再発見

“黒い方のダグ”の誤認により、3人は再びダグの行方を追う。
アランは屋上での乾杯に睡眠薬を混ぜたことを告白し、それが記憶喪失の原因だったと判明。

そして最初にフィルが電話を掛けるシーンに戻る。
その時、ステュはヤクの売人のふとした言葉で、ダグが屋上にいることに気づく。
急いでホテルに戻ると、屋上にはやはりダグが日焼けした状態で放置されていたことを発見する。
ダグは丸一日屋上に閉じ込められていたが、無事であり、結婚式に間に合う可能性がある。

スチュアートは昨夜挙げた結婚が無効であることを確認しつつも、見送りに来たジェイドと来週末のデートの約束をし、彼女との関係を前向きに考え始める。
4人は急いでロサンゼルスへ戻るため車を走らせる。
ダグは婚約者トレーシーのもとへ戻るため、式場へ急ぐ。

🟦結:結婚式と記憶の記録

4人は結婚式にギリギリで到着し、ダグはトレーシーと無事に結婚する。
式の後、スチュアートはメリッサと再会し、これまでの鬱憤をすべてぶつけ、別れを告げる。
アランは旅の記録として、前夜の写真が保存されたデジタルカメラを発見。
バチェラーパーティの全貌が記録されており、記憶を補完する手がかりとなる。
4人は写真を見ながら笑い合い、アランの提案で写真は一度だけ見て削除することに決める。
映画は、彼らが写真を見始める場面で幕を閉じる。

エンドロールで流れる記録写真には、虎、チャウ、警察署、ジェイドとの結婚など、すべての出来事が収められていた。

感想(ネタバレあり)

アランの「今日、たとえ何があっても僕は何も言わないよ…たとえ人を殺しても」
これが盛大な伏線になるとは(笑)
さすがにそこまでは無かったけど、ボリュームとしてはかなり盛大!
「歯医者だってドクターだ!」『誰かが心臓発作を起こしたら救急車を呼んでくれ』
この掛け合いすごく好き。
後で医者から「たかが歯医者だろ」というセリフからも、歯医者の地位が低いことが窺える。

ラスベガスの景色はCGではなく実際にロケ撮影しているらしい。
虎はさすがにCGだと思ったけど…どうやら本物とのこと。
動物保護団体の監視下で撮影されたということで、怖がり具合も本気なのかもしれない。

全体的に、意味の分からない謎が多すぎて面白かった!
この「ひとつひとつはシンプルな”やらかし”だけど、複雑に絡み合い過ぎて意味わからなくなってしまった」というスタイルは、まるでコメディ二日酔い版「Dr.House」だ。

スタンガンのシーンっも面白い。
いや、顔にやってしまうのは痛すぎるし、ステュの言う通り、赦されていいわけないんだけど…。
「イケメン君、前に出て」でアランが前に出るのはお約束(笑)

「車どうする?親父になんて言う?」『被害は内装だけだしなんとか』ガッシャーーーーーン!!!
はい、これもお約束(笑)

チャウが出てきてからはどういう方向性になるのか不安だったが、なるほどベガスで再儲けのシーンも最高に面白かった。
で、灯台下暗しの屋上。
テンポも良く、美味しいところもギュッと詰め込まれていて、曲で言ったらミスチルの歌という感じの作品。

エンドロールの写真集、まったく劇中に出てこなかった「余罪」も多くて最高。
しばしば、こういう映画ってのキャスト人数の関係なのか、予算の都合上なのか、「作中で出てきたことが全て」というだけで終わってしまう事が多いため、「まだまだ知らない記憶がある」という終わり方はワクワクして素晴らしい。

✅魅力に感じたところ

  • 記憶喪失ミステリーの構造が斬新
    コメディでありながら、記憶を辿って真相を探るという構成がサスペンス的で観客を引き込む。
  • キャラクターの個性が際立つ
    フィルのリーダー気質、スチュの神経質、アランの奇行など、3人の性格が明確で笑いの軸になっている。
  • テンポの良い展開とギャグの連続
    虎、赤ん坊、マイク・タイソン、チャウなど、次々と予測不能な展開が起こり、飽きさせない。
  • 友情と絆の描写が意外と丁寧
    バカ騒ぎの裏に、仲間同士の信頼や成長が描かれている点も良い。

❓気になったところ

  • 下品・過激な描写が多い
    性的なジョークや暴力的なギャグが苦手な人には不快に感じられる場面もある。
  • 女性キャラクターの描写が浅い
    ジェイドやメリッサなど、女性側の視点や内面がほとんど描かれず、男性中心の物語になっている。
  • 現実離れした展開に賛否
    虎やマイク・タイソンの登場など、リアリティよりも突飛さを優先しているため、好みが分かれる。

🎥映像について

この作品は、バカ騒ぎの中に構造的な巧みさと映像的な工夫が詰まったコメディ映画。

  • スベガスの街並みが効果的に使われている
    派手なネオン、ホテルのスイートルーム、カジノなどが“非日常”の舞台として機能している。
  • 映像と記憶のギャップが演出に活かされている
    映像は明るく鮮やかだが、登場人物の記憶が欠落していることで、視覚と心理のズレが生まれている。
  • エンドロールの写真が物語を補完する
    前夜の記録写真を見せることで、観客に“見えなかった時間”を補完させる演出がユニーク。

以上、「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の感想でした。

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