作品情報
- 公開:1999年09月04日
- 上映時間:123分
- 制作:イギリス、アメリカ
- 監督:ロジャー・ミッシェル
- 視聴方法:U-next
キャスト
- ジュリア・ロバーツ(アナ・スコット役/有名女優)
- ヒュー・グラント(ウィリアム・タッカー役/書店の店主)
- リス・エヴァンス(スパイク役/ウィリアムの同居人)
- ジーナ・マッキー(ベラ役/ウィリアムの友人)
- ティム・マキナニー(マックス役/ウィリアムの友人)
- エマ・チャンバース(ハニー役/アナの秘書)
- ヒュー・ボネヴィル(バーニー役/アナの友人)
- ジェームズ・ドレイファス(マーティン役/出版社関係者)
- ミーシャ・バートン(12歳の女優役)
あらすじ(ネタバレなし)
ロンドンのノッティングヒルで小さな書店を営むウィリアムは、ある日ハリウッド女優アナと偶然出会う。
世界が違うふたりの距離は、少しずつ近づいていくが、名声と日常のギャップがふたりを揺らす。
以下、ネタバレあり
あらすじ(ネタバレあり)
🟩起:偶然の出会い
ロンドンのノッティングヒルで小さな旅行書専門店を営むウィリアム・タッカーは、ある日、店に現れたハリウッド女優アナ・スコットと偶然出会う。
彼女は静かに本を選び、会話も短く済ませて店を後にする。
ウィリアムの家でふたりは少しだけ打ち解け、アナは突然彼にキスをする。
ウィリアムは驚きながらも彼女を見送る。
数日後、ウィリアムはアナが滞在しているホテルで記者会見があることを知り、記者に紛れてホテルを訪れる。
彼はアナの部屋に通され、再会を果たすが、アナは記者対応の最中で、ふたりの会話は短く終わる。
ウィリアムは彼女の世界との距離を感じながらホテルを後にする。
🟨承:距離と混乱
その後、アナはウィリアムの家に再び現れ、彼の奇妙な同居人スパイクと遭遇する。
ウィリアムはアナを妹たちとの食事会に招待し、彼女は有名人であることを隠して参加する。
食事会ではアナは自然体で振る舞い、ウィリアムの妹や友人たちと打ち解ける。
ウィリアムは彼女に惹かれ始め、ふたりはデートを重ねる。
ある日、ウィリアムとアナはアナの滞在するホテルを訪れると、そこにはアナの恋人である俳優ジェフがいた。
ウィリアムは気まずくなり、アナとの関係を断ち切る。
🟥転:再会と選択
数日後、アナの過去のヌード写真が週刊誌に掲載され、世間の注目が集まる。
アナはマスコミから逃れるため、ウィリアムの家を訪れ、彼に助けを求める。
ウィリアムは彼女を受け入れ、ふたりは静かな時間を過ごし、一夜を共にする。
翌朝、家の前には報道陣が押し寄せており、ふたりの関係が公にされてしまう。
アナは動揺し、ウィリアムの家を後にする。
ウィリアムは彼女の世界との距離を痛感し、関係を続けることに不安を抱く。
アナはロンドンを離れ、ウィリアムは彼女を忘れようとするが、気持ちは残り続ける。
友人からアナが撮影で近くに来ていると聞き、ウィリアムは撮影現場へ出向く。
そしてアナと再会するが、彼女がウィリアムのことを「過去の人だ」と話しているのを聞き、ウィリアムは立ち去る。
後日、アナはウィリアムの店を訪れ、「普通の女の子として、男の人の前に立っている」と告げる。
ウィリアムは感情を抑え、「無理だ」と答える。
アナは去り、ウィリアムは後悔する。
🟦結:静かな日常
友人たちに相談した結果、彼はアナを追いかける決意をする。
友人たちと車でホテルへ向かい、記者会見中のアナに駆けつける。
ウィリアムは記者として質問し、アナに「もしも話題になっていた男性がもう一度付き合ってくれとお願いしたら、あなたは受け入れますか?」と尋ねる。
アナは「はい」と答え、ふたりは記者たちの前で関係を公にする。
アナは「イギリスにはいつまでいるか?」という他の記者の質問に対し、「永遠に」と答える。
会見後、アナはロンドンに残り、ウィリアムと交際を続ける。
ふたりは公園のベンチで寄り添い、静かな時間を過ごす。
感想(ネタバレあり)
こういうのを見ると、やっぱり「えっ!!〇〇さんですよね!?キャー!」はやらずに、いわゆる”おもしれー女”対応をするのが、スターとの可能性の一つなんだろう。
同居人のスパイク、めっちゃ好き。良い奴だよね~。
しかし、10年以上芸能界にどっぷりで、1本1500万ドルの映画に出るような大物女優だから、やはりとても自己中…というか、ナイーブ。
ウィリアムは妹の誕生日パーティーに行くような、家族思いの心優しい青年。
アナにはアナのコンプレックスがあった。
「ギルダと寝て、私と目覚める。男はアタリ役のギルダとベッドに入ったはずが、朝、現実を見るの」
『今朝の君が一番素敵だ』
女優は演技力や美貌以外にも、かなり強靭なアイデンティティがあって、タフでないと難しい仕事なのだろう。
その直後、押し寄せた記者の前にブリーフで出てポーズを決めるスパイク、好きよ…!!
スパイクのことを疑い密告者だと思い込むアナ。(事実そうなんだけど)
なんてヒステリックで酷い性格だろうか。(勘は良いけど)
きっと女優業というものがそうさせてしまうんだろう。
この10年でたくさんの同じような思いをしてきた。
でも、そのたったひとつのスキャンダルがこの業界では命取りなんだ。
生きる世界が違う、とはこういうことだ。
でも、もしウィリアムに、アナを独り占めして絶対幸せにしたいと思えるほどの爆発的な愛情があったら。
もしアナが、彼を運命の相手だと思い酔えない・身を任せられないほどビッグな成功者でなければ…。
ここまでのカップルでないとしても、バリキャリとして成功したい女性が結婚に踏み込めない現象の理由が良く分かった。
マーティンの「あのゴーストって映画は最高ですよねぇ!」。
これ、公開のタイミングが同時期だったという点から成立するネタだよね(笑)
記者会見にまたまた紛れ込む、馬と猟犬のウィリアム。
あんな場で公開告白をして、させて、案外やり手だよね。
なんとなく「女性の方が男性を溺愛している」恋愛よりも、「男性の方が女性を溺愛している」方が上手くいくイメージがあるけど、この映画ならこの先もうまくいくかも、と思えた。
✅魅力に感じたところ
- キャストの魅力
ジュリア・ロバーツとヒュー・グラントの組み合わせが絶妙で、スター女優と一般人の恋愛という設定に説得力を与えている。 - ロマンティックな構造
偶然の出会いから始まり、すれ違いと再会を経て結ばれるという王道のラブストーリーが丁寧に描かれている。 - 脇役の個性と温かさ
ウィリアムの友人たち(スパイク、ベラ、マックスなど)がユーモラスかつ温かく、物語に深みと親しみを加えている。 - ユーモアのセンス
イギリス的な皮肉や下ネタも交えた笑いがあり、恋愛映画が苦手な人でも楽しめる。
❓気になったところ
- 展開のベタさ
“身分違いの恋”という設定がやや使い古されており、予測可能な展開ではある。 - 現実感の薄さ
ハリウッド女優が一般人と恋に落ちるという設定には非現実的。 - アナの描写が限定的
アナの内面や背景があまり掘り下げられず、ウィリアム視点に偏っているため、少しアナについても見たかった。
🎥映像について
この作品は、“静かな街角で始まる非日常”を、映像と構造で丁寧に描いたロマンティック・コメディ。
- ロンドン・ノッティングヒルの街並み
カラフルな住宅街や静かな公園など、街の風景が物語の雰囲気と調和しており、観光地としても人気。 - 自然光と柔らかな色調
映像は全体的に柔らかく、温かみのある色彩で統一されており、恋愛の空気感を視覚的に支えている。 - ラストシーンの構図
公園のベンチでウィリアムがアナに膝枕をしている場面は、静かな幸福を象徴する印象的な構図。
以上、「ノッティングヒルの恋人」の感想でした。


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