ツイスターズ(Twisters)/2024

3.5

作品情報

キャスト

  • デイジー・エドガー=ジョーンズ(ケイト役/竜巻研究者)
  • グレン・パウエル(タイラー役/冒険家系ストームチェイサー)
  • アンソニー・ラモス(ハビ役/ケイトの仲間・気象観測チームのリーダー)
  • ブランドン・ペレア(ブーン役/ストームチェイサー仲間)
  • キーナン・シプカ(アディ役/タイラーのチームメンバー)
  • デヴィッド・コレンスウェット(スコット役/ケイトの元同僚・気象学者)
  • サッシャ・レイン(リリー役/ケイトの友人・観測支援員)
  • ハリー・ハッデン=ペイトン(ベン役/データ分析担当)
  • トゥンデ・アデビンペ(デクスター役/気象局職員)
  • ケイティ・オブライアン(ダーニ役/タイラー側チームのメンバー)
  • ダリル・マコーマック(ジェブ役/観測車両の運転手)
  • ニック・ドダニ(プラビーン役/テクノロジー担当・データエンジニア)
  • モーラ・ティアニー(キャシー役/ケイトの母親)

あらすじ(ネタバレなし)

気象学者ケイトは過去の竜巻災害の記憶を抱えながら、再び巨大竜巻が発生するオクラホマへ向かう。
現地で出会った動画配信者タイラーと共に、命を懸けて自然の猛威に挑むディザスターパニック。

以下、ネタバレあり

あらすじ(ネタバレあり)

🟩起:再会と再挑戦

ニューヨークの国立気象局で働く気象学者ケイト・カーターは、学生時代にオクラホマで巨大竜巻に遭遇し、恋人ジェブを含む仲間3人を失った過去を持つ。
ある日、旧友ハビが訪ねてきて、オクラホマで連続発生している巨大竜巻への対策を依頼する。
ハビは軍経験を活かし、STORM PARという気象企業を率いていた。
ケイトは1週間だけという条件で現地へ戻り、ハビのチームに加わる。

現地では、竜巻チェイサーとして活動する動画配信者タイラー・オーウェンズとその仲間たちが、竜巻を追って騒ぎを起こしていた。
ケイトは初動で竜巻の進路を誤り、レーダー設置に失敗。
一方、タイラーは竜巻の中心で花火を打ち上げるなど派手な演出で注目を集める。
両チームはライバル関係となり、次の竜巻に備える。

🟨承:双子の竜巻と被災地

翌日、新たな嵐が発生し、両チームはそれぞれ異なる竜巻を追う。
嵐は途中で分裂し、双子の竜巻となる。
ケイトが選んだ竜巻はEF3まで強さを増し、周囲の建物を破壊。
ハビのレーダーも損壊する。

タイラーの選んだ竜巻は勢いを失い、途中で消滅。
ケイトとハビは被災地の復旧作業に参加し、タイラーのチームも加わる。
ケイトは、彼らがグッズ収益を被災者支援に使っていることを知る。
一方、自分が所属するSTORM PARの投資家リッグスが、被災地の土地を買い占めて利益を得ていることが判明。
ケイトは企業の姿勢に失望する。
夜、タイラーはケイトをロデオに誘い、互いの過去や気象への関心を語り合う。
親密さが増す中、再び警報が鳴り響き、巨大竜巻の接近が告げられる。

🟥転:最凶竜巻との対峙

警報を受け、両チームは再び竜巻の追跡を開始。
今回の竜巻は過去最大級のEF5で、進路上の街を壊滅させる勢いを持つ。

ケイトは竜巻の進行方向を正確に読み、タイラーと協力してレーダー設置を成功させる。
STORM PARのリッグスは撤退を命じるが、ケイトとハビは現場に残る。
タイラーのチームも合流し、竜巻の中心に向かって突入。
ケイトは竜巻の内部構造を解析し、タイラーが開発した装置を使って気流を操作。
装置は竜巻の回転を乱し、勢力を弱めることに成功する。

竜巻は徐々に消滅し、街の被害は最小限に抑えられる。
ケイトとタイラーは命からがら脱出し、互いの信頼を深める。
ハビは負傷するが命に別状はなく、チームは無事だった。

🟦結:再生と選択

巨大竜巻の脅威が去った後、ケイトはニューヨークへ戻るため空港へ向かう。
出発ロビーで、彼女はストームチェイサーのタイラーに別れを告げる。
タイラーは一度は見送ろうとするが、ケイトの旧友ハビの言葉を思い出し、彼女を呼び止める。
ふたりの間に沈黙が流れる中、空港のアナウンスが「悪天候のためフライトが遅延」と告げる。
ケイトは搭乗を諦め、タイラーとともに空港を後にする。

エンドクレジットでは、ふたりが新たな気象観測ビジネスを共同で始めたことが示される。
ケイトは故郷オクラホマに残り、タイラーと共に竜巻の研究と観測を続ける道を選んだ。
物語は、ふたりが空を見上げながら次の嵐に備える姿で幕を閉じる。

感想(ネタバレあり)

ナメてました。
めっっっちゃおもろい。
2時間を感じさせないほど、まさに竜巻のように勢い全開で話が進んでいく。
よくよく見たら、ジュラシックパークの制作陣なのね。
「恐竜」ではなく、今回は「竜巻」と。

どうやら、見た後に知ったけど、『ツイスターズ』は、1996年の『ツイスター』という映画を現代的に再構築したリメイク映画らしい。
しかし、面白さもさることながら、ディザスターパニックでありながらも単なるリメイクではなく気象と人間の関係性を描いている良い映画だった。
(元の映画は見てないけど)

映像での迫力だけでもかなりすごかったので、ちょっとだけ、IMAXで見たかったかも。
住民たちが避難した映画館の中で、巨大竜巻が映画館を襲い、実際にスクリーンが破壊されるという映像。
実際に映画館で映画を観ている観客が「劇場で災害映画を観ている最中に、そのスクリーンが吹き飛ぶ」という構造になっていて、メタ的な演出にもなっている。
ぜひ見たかった!

主人公のケイトは、過去のトラウマを抱えながら科学者として竜巻の研究に参加する。
最初のシーンではまさか大事な仲間が飲み込まれていくと思っていなかったので、びっくり。
その過去の重圧や、使命感を、セリフではなく動作や視線で語る演出が巧みだった。
特にラストの空港でのシーンの静かな余韻は、竜巻の激しさとのメリハリがついていてよかった。
車に乗り込もうとし、しかし降りる。
その一連の動きに、ケイトの決意と再生が凝縮されていた。
この手ではお決まりの「悪天候なら…仕方ないわね!」というポジティブなエンドが良かった。

タイラーというキャラクターも、最初は「ぶちのめされる雑魚キャラ」かな?と思っていたが、手を組む関係になるとは。
ただの“映え狙いの配信者”ではなく、科学とエンタメの境界を探る存在だった。
タイラーの装置が竜巻の回転を乱す場面は、現実味があるのかどうかなんていうのは分からないけど、なんかワクワクした。
彼の存在は、「科学とエンタメ」「理性と衝動」の対比として、この作品で機能していた。

総じてこの作品は、ややB級感がありながらも、質の良い作品だった!

✅魅力に感じたところ

  • キャラクターの造形と整合性
    主人公ケイトは過去のトラウマを背負いながらも科学者としての使命に向き合う姿が丁寧に描かれ、タイラーとの関係も恋愛に頼らず“協働と信頼”で構築されている。
  • 時代性の反映
    ビデオカメラからYouTuber文化への移行、SNS世代の災害との向き合い方など、現代的な要素が自然に組み込まれている。

❓気になったところ

  • ストーリーの意外性の欠如
    王道のディザスターパニック構造で、展開に驚きは少ない。
    特に序盤からF5竜巻が登場するため、クライマックスの盛り上がりがやや平坦に感じられるという声もある。
  • テンポのばらつき
    中盤の被災地描写や人間関係の整理に時間を割くため、アクションとのバランスが崩れる瞬間がある。
  • タイラーの描写がやや美化されすぎている
    YouTuberとしての倫理的葛藤やSNSの危うさが描かれず、彼の行動が一方的に“良い人”として処理されている。

🎥映像について

この作品は、なによりロケーションの力を最大限に活かした美しさが魅力的。

  • 映像体験の革新性
    ScreenXやDolby Atmosなど最新技術を活用し、270度の視界と立体音響で竜巻の“包囲感”を体験できる。
    特に劇場のスクリーンが吹き飛ぶシーンは、観客自身が災害の当事者になるようなメタ演出は素晴らしい。
    竜巻の回転、風圧、破壊の瞬間における物理的リアリティも高い。
  • 色調と空間演出
    プロローグでは青春的な軽やかさ、クライマックスでは灰色の空と瓦礫の質感が強調され、空の表情が物語の心理と連動している。
  • 映像と音響の融合
    ScreenXとDolby Atmosの組み合わせにより、視覚と聴覚の没入感が最大化されている。
    特に竜巻の接近音や建物の崩壊音が、空間全体を震わせるような体験を生んでいる。

以上、「ツイスターズ」の感想でした。

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